
最終更新日:2026年4月13日
請求書を発行した後に誤りが見つかり、どのように対応すべきか迷った経験はないでしょうか。請求書のミスは取引先に迷惑をかけるだけでなく、支払いの遅延や信頼喪失につながる可能性もあります。
そこで今回は、請求書の訂正方法や、ミスが起きやすい項目、訂正が発生した際の対応手順、お詫び文の例文、ミスを未然に防ぐ方法について解説します。
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目次
- 請求書の訂正は再発行が原則
- 請求書でミスを起こしやすい項目は?
- 宛名
- 発行日
- 取引内容
- 金額
- 支払い条件
- 押印漏れ
- 請求書のミスが発生したときの対応
- 1. 事実確認
- 2. 取引先へ連絡・謝罪
- 3. 正しい請求書の再発行
- 4. 再発防止策の検討
- 請求書訂正時のお詫び文の例
- 請求書を訂正する際の注意点
- 再発行する際も発行日を変えない
- 再発行したことが一目でわかるようにする
- 請求書の管理番号は前のものと変える
- 再発行した請求書は二重チェックを行う
- ミスのあった請求書は再発行後すぐに破棄する
- 請求書のミスを未然に防ぐ方法
- チェックリストを作る
- テンプレート化・マスタ化で入力を減らす
- 電子請求書システムを活用する
- 請求書のミスを減らして、スムーズな請求業務を実現しよう
- よくあるご質問
- 請求書を間違えたときの訂正方法は?
- 請求書に間違いがあった場合、二重線だけでもいいですか?
- 請求書をミスした場合のお詫びの例文は?
請求書の訂正は再発行が原則
請求書に誤りがあった場合、二重線と訂正印で修正するのではなく、正しい内容で請求書を再発行するのが原則です。
以前は紙の請求書において訂正印による訂正が慣習的に行われていましたが、近年はコンプライアンスの強化やインボイス制度の導入により、より厳格な対応が求められています。
また、電子請求書システムを使用している場合は、再発行機能を活用することで効率的に訂正処理が行えます。システムによっては訂正履歴が自動で記録されるため、後から確認する際も管理が容易です。
請求書でミスを起こしやすい項目は?
請求書には多くの記載事項があり、どの項目でもミスが生じる可能性があります。特に発生しやすい項目を把握しておくことで、事前のチェックに役立てられるでしょう。
- <請求書でミスを起こしやすい項目>
- ・宛名
- ・発行日
- ・取引内容
- ・金額
- ・支払い条件
- ・押印漏れ
宛名
請求書に実際に請求する取引先とは別の取引先の宛名を記載してしまうケースです。単に名前を間違えるというだけでなく、発送ミスにつながる可能性があります。
発行日
発行日の誤りとしては、月の入力ミスや、前月の日付をそのまま流用してしまうケースが考えられます。発行日は支払期日の起算点になることが多いため、日付がずれると支払いスケジュールに影響することもあるでしょう。
取引内容
実際の取引内容と請求書の記載が異なるケースも多く見られます。
特に、見積書から請求書を作成する際に内容の変更を反映しないまま送付してしまうと、金額のズレにもつながります。請求書作成前には、見積書・納品書・契約書などの関連書類と必ず照合する習慣をつけましょう。
金額
金額のミスは、桁数の誤りや計算式の参照ミス、消費税の計算ミスなど多岐にわたります。インボイス制度対応が求められる現在では、税率ごとの区分や消費税額の記載誤りがあると、取引先が仕入税額控除を適用できなくなる場合もあります。最終的には必ず検算を行い、合計額を確認してください。
支払い条件
支払期日の日付誤りや振込先口座の記載ミス、振込手数料の負担者の記載漏れなどが、支払い条件に関するミスとして多く見られます。特に振込先口座情報は一文字でも誤ると入金されない事態になりかねないため、テンプレートに固定しておくことで入力ミスを防げるでしょう。
押印漏れ
請求書への押印は法律上の義務ではなく、取引先や自社のルールによって対応が異なります。押印を求める取引先に対しては、印鑑が漏れていると経理処理が止まることがあるため、事前に押印の要否を確認しておくことが大切です。
なお、電子請求書システムを導入すれば、電子署名が押印の代わりとなり、押印漏れというミス自体をなくすことができます。
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請求書のミスが発生したときの対応

万が一、発行済みの請求書にミスが見つかった場合は、迅速かつ誠実な対応が求められます。
ここでは、ミスが発覚してから再発行を完了するまでの基本的な手順を4つのステップで解説します。
- <請求書のミスが発生したときの対応>
- 1. 事実確認
- 2. 取引先へ連絡・謝罪
- 3. 正しい請求書の再発行
- 4. 再発防止策の検討
1. 事実確認
まずは、どの請求書のどの項目に誤りがあるのか、正しい情報は何かを正確に把握します。
社内の受注データや納品書などの証憑書類と照合し、ミスの原因を特定しましょう。この段階で請求金額の変動や支払期日への影響範囲もあわせて確認しておきます。
2. 取引先へ連絡・謝罪
事実確認ができたら、すみやかに取引先の担当者へ連絡を入れます。
メールだけの連絡では相手の確認が遅れるため、緊急性の高い案件では電話を優先してください。ミスの内容と影響を明確に説明し誠意を持って謝罪します。
その後、メールや書面でもお詫びと訂正内容を残しておくと、記録としても安心です。
3. 正しい請求書の再発行
取引先への連絡後、正しい内容で請求書を再発行します。
この際、再発行した請求書であることがわかるように、備考欄などに「再発行」「修正版」と明記すると親切です。
また、元の請求書が無効であることを取引先に伝え、混同を防ぎましょう。電子請求書システムなら再発行機能を使って履歴も自動記録できます。

4. 再発防止策の検討
請求書の再発行が完了したら、なぜミスが起きたのかを分析し、再発防止策を検討します。
「確認フローが形骸化していなかったか」「マスタの設定に誤りはなかったか」などを振り返り、チェックリストの更新やシステム設定の見直しなど、具体的な対策を講じることが重要です。
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請求書訂正時のお詫び文の例
請求書の訂正が必要になった場合、再発行した請求書に丁寧なお詫び状やメールを添えることがマナーです。ここでは、取引先に送るお詫び文の構成例を紹介します。
メールでお詫びと再発行の連絡をする際は、以下の要素を盛り込みましょう。
<お詫び文の例>
【お詫びと訂正】請求書内容の訂正について(株式会社◯◯)
株式会社△△
経理部 □□様
いつも大変お世話になっております。
株式会社◯◯の(担当者名)でございます。
この度、○月○日付でお送りいたしました
請求書(番号:XXX)の内容に一部誤りがございました。
多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。
【訂正内容】
請求金額
・誤:100,000円
・正:110,000円
正しい内容で請求書を再発行いたしましたので、
お手数ですが差し替えのご対応をお願いできますでしょうか。
旧請求書につきましては無効とさせていただきますので、差し替えのほどお願いいたします。
今後はこのようなミスが生じないよう、チェック体制を強化してまいります。
多大なるご迷惑をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げます。
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請求書を訂正する際の注意点
請求書の再発行による訂正を行う際には、いくつかの点に注意しないと新たな混乱を招くことがあります。以下の注意点を押さえておきましょう。
- <請求書を訂正する際の注意点>
- ・再発行する際も発行日を変えない
- ・再発行したことが一目でわかるようにする
- ・請求書の管理番号は前のものと変える
- ・再発行した請求書は二重チェックを行う
- ・ミスのあった請求書は再発行後すぐに破棄する
再発行する際も発行日を変えない
再発行した請求書には、元の請求書と同じ発行日を記載することが原則です。発行日を変えると、取引先の経理処理上の日付照合が複雑になります。再発行である旨を明示したうえで、元の発行日をそのまま引き継いでください。
再発行したことが一目でわかるようにする
再発行する際は、最初に送ったものと混同してしまわないよう、一目で再発行したことがわかるよう「再発行」「修正版」などの記載をします。ファイル名に「_修正版」を加えるなど、視覚的に区別できる工夫も有効です。
請求書の管理番号は前のものと変える
請求書を再発行する際は管理番号を変更しましょう。同じ番号を使い回すと、どちらが最新版かの管理が煩雑になり、二重払いや計上漏れのトラブルを招く可能性があります。 例えば、最初に発行した請求書の管理番号が「20221130」であれば、「20221130-02」と枝番を付けると管理の手間が省けます。
再発行した請求書は二重チェックを行う
再発行した請求書でまたミスがあれば、企業としての信頼も失ってしまうリスクがあります。そのため、再発行した段階で金額や発行日、管理番号などを必ず複数人でチェックし、ミスがないことを確認したうえで発送しましょう。
ミスのあった請求書は再発行後すぐに破棄する
再発行が完了したら、誤りのあった請求書の控えは自社ですみやかに破棄します。紙の場合はシュレッダー処理、電子の場合はファイルを削除するなどして、誤った情報が残らないようにする方法のほか、訂正・削除の履歴として管理しておくという考え方もあります。自社の運用ルールや内部統制の方針に合わせて対応を決めておくのがおすすめです。
取引先にも誤りのあった請求書の差し替えをお願いすることを忘れずに伝えましょう。
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請求書のミスを未然に防ぐ方法

請求書の訂正は、自社だけでなく取引先にも多大な手間と迷惑をかけてしまいます。人的ミスを最小限に抑え、業務品質を向上させるための仕組みづくりに取り組みましょう。
- <請求書のミスを未然に防ぐ方法>
- ・チェックリストを作る
- ・テンプレート化・マスタ化で入力を減らす
- ・電子請求書システムを活用する
チェックリストを作る
請求書発行前の確認作業を標準化するために、チェックリストを作成・活用しましょう。 「宛名は正しいか」「金額計算は合っているか」「特殊な取引条件はないか」など、確認すべき項目を可視化します。作成者とは別の担当者がチェックする相互確認体制を構築するのも有効です。
- <請求書発行前チェックリストの例>
- ・宛名(会社名・部署名・担当者名・敬称)
- ・発行日・取引日・振込期間
- ・請求金額(数量×単価、税抜・税込、合計)
- ・消費税率・軽減税率の有無
- ・取引内容
- ・支払期日・振込先口座・振込手数料負担者
- ・請求書番号
- ・登録番号・税率ごとの税抜金額・消費税額など必須項目(インボイスの場合のみ)
テンプレート化・マスタ化で入力を減らす
手入力の機会を減らすことで、入力ミスのリスクを根本から削減できます。請求書フォーマットを統一したテンプレートを整備し、取引先名・住所・振込先口座などをマスタ登録して選択式にするだけで、転記ミスを大幅に防ぐことが可能です。
複数の取引先を抱える企業では、マスタから自動入力できる仕組みにすることで担当者の負担も軽減されます。
電子請求書システムを活用する
最も効果的なのは、電子請求書システムを導入することです。
販売管理システムと連携すれば、受注・売上データから請求書を自動作成できるため、転記ミスや計算ミスを根本からなくすことができます。また、承認フローをシステム化することで、チェック漏れも防げます。
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請求書のミスを減らして、スムーズな請求業務を実現しよう
請求書の記載ミスは誰にでも起こりうるものですが、その後の対応次第で取引先との信頼関係は大きく変わります。訂正印での修正は避け、すみやかに正しい請求書を再発行しましょう。
また、再発防止のためにチェック体制の強化や、電子請求書システムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
請求書業務の品質向上と効率化を同時に実現したい場合は、電子請求書システムの導入も有効な選択肢です。『BtoBプラットフォーム 請求書』なら、販売管理システムとのデータ連携でそもそもの入力ミスを最小限に抑えられます。万が一ミスが発生した際も、再発行はシステム上で完結し、訂正履歴も自動保存。DtoD(Data to Data)の形式で取引先と請求データでやり取りすることにより、紙やPDFと比べて正確かつスピーディーに取引先へ届けることができます。請求書業務の改善にお悩みの方は、ぜひ一度ご検討ください。
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よくあるご質問
Q. 請求書を間違えたときの訂正方法は?
請求書の内容を間違えた場合、二重線や訂正印で直接修正するのではなく、正しい内容で「再発行」するのが基本ルールです。ミスが発覚したら、まずは事実確認を行い、迅速に取引先へ連絡・謝罪しましょう。その後、備考欄等に「再発行」と明記し、正しい請求書を送付します。
詳細は「請求書のミスが発生したときの対応」をご覧ください。
Q. 請求書に間違いがあった場合、二重線だけでもいいですか?
二重線や訂正印での修正は避けるべきです。以前は紙の請求書で慣習的に行われていましたが、現在はコンプライアンスの強化やインボイス制度の導入により、より厳格な対応が求められています。トラブルや支払いの遅延を防ぐためにも、必ず正しい内容で請求書を再発行してください。
詳細は「請求書の訂正は再発行が原則」をご覧ください。
Q. 請求書をミスした場合のお詫びの例文は?
お詫びメールでは、まずミスの事実を伝えて誠実に謝罪します。その上で、「誤:100,000円、正:110,000円」のように訂正内容を分かりやすく箇条書きで記載し、正しい請求書を再発行した旨を伝えます。また、古い請求書は無効となるため、差し替えをお願いする一文も添えましょう。
詳細は「請求書訂正時のお詫び文の例」をご覧ください。
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監修者プロフィール

監修者:宮川 真一
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは25年以上たちました。現在は、宮川真一税理士事務所の代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。
【保有資格】CFP®、税理士