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【2026年最新】簡易課税制度とは?要件や計算方法、メリット・デメリットを解説

【2026年最新】簡易課税制度とは?要件や計算方法、メリット・デメリットを解説

最終更新日:2026年04月08日

簡易課税制度は、消費税の計算を「みなし仕入率」で行うことで、仕入れごとの集計を省略できる制度です。この制度を選択することで、中小企業や個人事業主にとって、経理・申告の負担を抑えながら消費税対応を進めやすくなります。

そこで今回は、簡易課税制度の仕組みをはじめ、適用要件、原則課税との違い、消費税の計算方法、メリット・デメリットを整理した上で、インボイス制度と2割特例(3割特例)との選び方についても解説します。

目次

簡易課税制度とは、中小事業者の消費税計算を簡素化する制度

簡易課税制度は、中小事業者の消費税計算における事務負担を軽減するための制度です。原則課税(一般課税、本則課税)のように仕入れごとの消費税額を集計する代わりに、売上にかかる消費税額に「みなし仕入率」を掛けて、仕入税額控除(控除額)を算出します。

<簡易課税制度のポイント>
・仕入れや経費の消費税額をひとつずつ集計しなくてよい
・売上にかかる消費税額と、業種ごとの「みなし仕入率」で計算できる
・経理体制が限られる中小企業や個人事業主でも運用しやすい

消費税は原則として、商品やサービスの提供などで受け取った消費税額から、仕入れなどで支払った消費税額を差し引いた金額を納付します。この差し引く仕組みが「仕入税額控除」です。簡易課税制度を選択すると、この仕入税額控除を実額ではなく、業種別のみなし仕入率で計算するため、実務負担を軽減することが可能です。

仕入額控除の仕組みを示した図

※消費税の仕入税額控除の詳細は下記の記事もご覧ください。

簡易課税制度の適用要件

簡易課税制度を利用するには、以下の2つの要件を満たす必要があります。制度は任意選択制ですが、一度選択すると原則として2年間は継続適用が義務付けられるため、慎重な判断が求められます。

<簡易課税制度の適用要件>
・基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること
・消費税簡易課税制度選択届出書を期限内に提出していること

また、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた場合は、届出の有無にかかわらず、自動的に原則課税に移行します。

ここでは、それぞれの適用要件について解説します。

基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること

簡易課税制度を適用できるのは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者のみです。基準期間とは、個人事業主の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度を指します。

例えば、2026年分の消費税について簡易課税を適用したい個人事業主の場合、2024年の課税売上高が5,000万円以下であることが要件です。法人も同様に、2期前の事業年度の課税売上高で判定します。

なお、課税売上高には、消費税が課税される課税売上に加え、輸出取引などの免税売上も含まれますが、土地の譲渡や住宅の貸付けなどの非課税売上は含まれません。

この基準を超えた場合、届出の有無にかかわらず、自動的に原則課税へ移行するため、売上高の推移を管理する際に注意が必要です。

消費税簡易課税制度選択届出書を期限内に提出していること

簡易課税制度を利用するためには、基準期間の要件を満たすだけでなく、適用を受けようとする課税期間の開始日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署へ提出しなければなりません

ただし、新規開業の場合は特例があり、事業開始日の属する課税期間の末日までに提出すれば、その課税期間から簡易課税制度を適用できます。例えば、個人事業主が1月1日に開業した場合は、その年の12月31日までに提出すれば初年度から適用可能です。

なお、一度届出を提出すると、原則として2年間は継続適用となるため、提出前に将来の事業計画や設備投資予定などを踏まえて慎重に判断することが重要です。

簡易課税と原則課税との違い

簡易課税と原則課税の違いは、仕入税額控除の計算方法にあります。簡易課税は売上にかかる消費税額に「みなし仕入率」を掛けて控除額を計算するのに対し、原則課税は実際の仕入れにかかった消費税額をもとに計算する点が異なります。みなし仕入率とは、売上高に通常占める課税仕入高の割合を規定したものです。

簡易課税では、実際の仕入税額を個別に計算する必要はなく、売上にかかる消費税額に業種別のみなし仕入率を乗じるだけで控除額を算出可能です。そのため、経理処理が大幅に簡素化されます。

一方、原則課税では、すべての課税仕入れについて請求書や領収書を保存・管理し、実際に支払った消費税額を集計して納付税額を計算します。正確な計算が可能である一方、事務負担は大きくなりがちです。

また、原則課税では設備投資などにより仕入税額が売上税額を上回った場合に還付を受けられますが、簡易課税ではこの還付制度は適用されません。この点も、簡易課税と原則課税の違いといえます。

それぞれの違いを整理すると、以下のとおりです。

■簡易課税と原則課税の違い
項目 簡易課税 原則課税(原則課税)
仕入税額控除の計算方法 売上税額 × みなし仕入率 実際の仕入れにかかった消費税額をもとに計算
書類の保存・管理 帳簿の保存のみでよい(インボイス不要) 適格請求書(インボイス)の保存・管理が必要
経理処理の負担 大幅に簡素化される 事務負担が大きくなりがち
消費税還付 受けられない 条件を満たせば受けられる

※課税事業者の詳細は下記の記事もご覧ください。

納付する消費税の計算方法

納付する消費税の計算方法

簡易課税制度と原則課税では、消費税の計算方法が大きく異なります。ここでは、それぞれの計算式と、簡易課税における業種別のみなし仕入率について解説します。

簡易課税と原則課税の違いを表した図解

簡易課税の計算式

簡易課税の場合、計算式は以下のようになります。

<簡易課税による消費税額の計算式>
消費税の納付税額 = 課税売上にかかる消費税額 × (1-みなし仕入率)

課税売上にかかる消費税額のみを把握すれば計算できるため、仕入れの詳細な記録や集計は不要です。そのため、経理・申告業務を大幅に簡素化できる点が特徴です。
簡易課税制度では、業種ごとに定められた「みなし仕入率」によって控除額を計算します。業種ごとのみなし仕入率は、次の表のとおりです。

■簡易課税制度の事業区分の表
事業区分 みなし仕入率 該当する事業
第1種事業 90% 卸売業
第2種事業 80% 小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡にかかる事業)
第3種事業 70% 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡にかかる事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業。第1種事業、第2種事業に該当するものおよび加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く。
第4種事業 60% 第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業。具体的には、飲食店業など
第5種事業 50% 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業を除く)
第6種事業 40% 不動産業

参考:国税庁「簡易課税制度の事業区分

みなし仕入率が高いほど控除額が大きくなり、納付する消費税額は少なくなります。そのため、実際の仕入れ・経費の割合がみなし仕入率を下回る場合は簡易課税が有利となり、上回る場合は原則課税の方が有利となります。

簡易課税が有利かどうかは、業種のみなし仕入率と実際の仕入構造との関係によって決まるため、自社の事業内容を踏まえて判断することが重要です。

原則課税の計算式

原則課税の場合、納付する消費税額は次の式で計算します。

<原則課税による消費税額の計算式>
消費税の納付税額 = 課税売上にかかる消費税額 − 課税仕入れにかかる消費税額

実際の取引ごとに消費税額を集計し、仕入れにかかった消費税を差し引いて納付額を算出します。正確な計算が可能である一方、すべての取引を記録・管理する必要があり、事務負担は大きくなりがちです。

簡易課税制度のメリット

簡易課税制度には、事務負担の軽減や節税効果など、いくつかのメリットがあります。ここでは、以下のメリットについて解説します。

事務処理負担を軽減できる

簡易課税制度のメリットは、事務処理負担を大幅に軽減できる点です。仕入税額控除の個別計算や請求書・領収書の詳細な管理が不要となり、売上高だけで消費税額を算出できます。

原則課税では、すべての課税仕入れについて消費税額を集計し、請求書や領収書を整理・保管する必要がありますが、簡易課税では売上にかかる消費税額にみなし仕入率を乗じるだけで計算が完了します。

そのため、経理業務が大幅に簡素化され、経理人員が限られる中小企業や個人事業主にとっては、実務負担の軽減効果が大きい制度といえるでしょう。

節税効果が期待できる

実際の課税仕入率よりもみなし仕入率が高い場合、簡易課税を選択することで節税効果が期待できることもメリットです。一般的に、仕入れや外注費などの課税経費が少ない事業ほど、みなし仕入率との乖離が生じやすく、簡易課税が有利になる傾向があります。

ただし、有利不利は事業内容によって異なるため、実際の仕入れ状況を踏まえて慎重に判断することが重要です。

納税額の予測がしやすい

簡易課税制度では、売上高ベースで消費税額を計算するため、納税額の予測がしやすくなる点もメリットのひとつです。原則課税では、仕入れの時期や金額によって納税額が変動しやすいのに対し、簡易課税では売上高を把握すれば、納税額をほぼ正確に見積もることが可能です。

その結果、資金繰り計画が立てやすくなり、納税資金の準備や経営計画の精度向上にもつながる点が実務上のメリットといえるでしょう。

簡易課税制度のデメリット

簡易課税制度にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、以下のデメリットについて解説します。

設備投資時の還付を受けられない

簡易課税制度のデメリットは、消費税の還付を受けられない点です。原則課税では、設備投資などにより仕入税額が売上税額を上回った場合、差額の還付を受けることができますが、簡易課税ではみなし仕入率による計算のため、実際の仕入税額が高額であっても還付は発生しません。

店舗改装や製造設備の導入など、大規模な設備投資を予定している場合は、原則課税のほうが有利になるケースが多く、投資計画を踏まえた制度の選択が重要となります。

一度選択すると2年間は変更できない

簡易課税制度を選択すると、原則として2年間は継続適用が義務付けられ、途中で課税方法を変更することができない点もデメリットです。
そのため、事業環境の変化や設備投資の発生などがあっても、課税方法を柔軟に切り替えることができず、税務面での対応に制約が生じます。

また、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた場合は自動的に原則課税へ移行するため、成長企業では急な制度変更への対応も求められます。簡易課税を選択する際は、今後の事業計画を踏まえて判断することが大切です。

複数事業を営む場合は事務負担が増すことがある

複数の事業を営んでいる場合、簡易課税制度がかえって事務負担を増やす可能性がある点もデメリットです。簡易課税では事業ごとに異なるみなし仕入率を適用するため、売上を事業区分ごとに正確に管理する必要があります。

この事業区分ごとの管理を誤ると、本来より低いみなし仕入率が適用され、控除額が小さくなって納付する消費税額が増えるといった不利が生じるリスクがあります。そのため、複数事業を展開している事業者は、区分管理の実務負担と簡易課税によるメリットを比較しながら、制度との相性を見極める視点が重要です。

簡易課税制度をやめる場合の手続き

簡易課税制度をやめる場合は、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を税務署に提出する必要があります。提出期限は、2年間の継続適用期間が終了した後の課税期間開始日の前日までです。

例えば、2024年から簡易課税を適用している個人事業主が制度をやめる場合、2026年12月31日までに届出書を提出すれば、2027年分から原則課税に戻ります。

なお、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた場合は、届出をしなくても自動的に原則課税へ移行します。また、一度簡易課税をやめた後、再度簡易課税を選択する場合は、改めて選択届出書の提出が必要です。

「消費税簡易課税制度選択届出書」の書き方・提出方法

消費税簡易課税制度選択届出書

出典:国税庁「消費税簡易課税制度選択届出手続

消費税簡易課税制度選択届出書では、制度適用に必要な基本情報を記載します。主な記載項目は次のとおりです。

■消費税簡易課税制度選択届出書の主な記載項目
届出者情報 住所・電話番号・氏名(法人の場合:法人名・代表者名・法人番号)※個人事業主は屋号と氏名を記載
適用開始時期 個人事業主は「令和◯年分から」、法人は「令和◯年◯月◯日から令和◯年◯月◯日まで」
事業内容・事業区分 主たる事業内容を記載し、該当する事業区分を選択 ※複数事業がある場合は、売上割合の目安も記載
基準期間の課税売上高 基準期間(個人:前々年/法人:前々事業年度)の課税売上高を記載 ※新規開業の場合は「新規開業」「新設法人」などと記載
■消費税簡易課税制度選択届出書の提出方法・提出期限
提出期限 適用を受ける会計期間の初日の前日まで
提出先 納税地を所轄する税務署
提出方法 税務署窓口への持参・郵送・e-Tax(電子申告)

記入方法に不安がある場合は、税務署の窓口で相談しながら記入することもできます。また、税理士に依頼している場合は、手続きを代行してもらうこともできます。

簡易課税制度とインボイス制度

簡易課税制度とインボイス制度

インボイス制度の導入により、簡易課税制度を取り巻く環境も変化しています。両制度の関係性と、簡易課税事業者への影響について解説します。

インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除の方式のこと

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、仕入税額控除の適用要件として「適格請求書」の保存を義務付ける消費税制度です。

仕入税額控除を受けるには、適格請求書発行事業者が発行した適格請求書の保存が必要です。この適格請求書が発行できる「適格請求書発行事業者」となるためには、課税事業者でなければなりません。そのため、免税事業者がインボイス制度に対応するには、まず課税事業者への転換が必要です。その上で、消費税の課税方式として、簡易課税・原則課税のいずれかを選択することになります。

つまりインボイス制度は、請求書の形式が変わるだけの制度ではなく、免税・課税といった事業者区分や、消費税の計算方法の選択にも関わる重要な制度といえます。

※インボイス制度の詳細は下記の記事もご覧ください。

簡易課税制度とインボイス制度の関係性

簡易課税制度とインボイス制度は、別々の制度でありながら、実務上は密接に関係しています。
簡易課税制度は、仕入税額控除の計算を簡単にする制度であるのに対して、インボイス制度は、仕入税額控除の適用要件を定める制度です。

簡易課税を選択した場合、仕入税額控除は実額計算ではなく、売上税額にみなし仕入率を乗じて算出します。そのため、買い手としては適格請求書の保存が不要となり、インボイス制度による事務負担の影響を受けにくい構造です。

一方で、売り手としてはインボイス制度のルールがそのまま適用されるため、簡易課税事業者であっても、適格請求書発行事業者としての登録や、適格請求書の発行・保存義務は発生します。

つまり、簡易課税制度はインボイス制度の影響を完全に回避できる制度ではなく、買い手側の実務負担は軽減される一方で、売り手側では制度対応が引き続き求められるのです。

簡易課税事業者にはインボイス制度の影響があるか

簡易課税事業者であっても、取引構造によってインボイス制度の影響の有無は異なります。影響の有無は、「自社が売り手か買い手か」「取引先が課税事業者か一般消費者か」という関係性によって決まります。

インボイス制度の影響を受けにくいのは、主に次のようなケースです。

■簡易課税事業者がインボイス制度の影響を受けにくいケース
自社が売り手となって一般消費者と取引をしている場合 一般消費者との取引の場合には、買い手側の仕入税額控除を考慮する必要がない
自社が買い手となって取引をしている場合 売り手側が課税事業者・免税事業者いずれの場合でも、買い手側ではみなし仕入率による計算を行うため、インボイス制度の影響を受けない
■簡易課税事業者がインボイス制度の影響を受けやすいケース
自社が売り手で、取引先が課税事業者(原則課税)の場合 売り手側(自社)が適格請求書発行事業者の登録を行っていない場合、買い手(取引先)側が仕入税額控除を受けられず、自社が取引相手として「適当ではない」と見なされる恐れがある

このような背景から、取引内容によっては、簡易課税事業者であってもインボイス制度への対応が求められる場面があります。特に、取引先の多くが課税事業者である場合には、インボイス制度への対応が実務上避けられないケースも少なくありません。

そのため、自社の取引内容や取引先を踏まえて、どこまで制度対応が必要になるのかを整理しておくことが大切です。

インボイス制度下における簡易課税制度の注意点

インボイス制度下で簡易課税を利用する場合、いくつかの実務上の注意点があります。

まず、簡易課税を選択していても、売り手としての立場ではインボイス制度のルールがそのまま適用される点に注意が必要です。簡易課税事業者であっても、適格請求書発行事業者としての登録が必要となり、適格請求書の発行義務および控えの保存義務が発生します。

一方で、買い手としては、仕入税額控除を実額計算せず、みなし仕入率で計算する仕組みのため、仕入れにかかる適格請求書の保存義務はありません。この点では、インボイス制度による事務負担の影響を受けにくい構造となっています。

このように、簡易課税制度はインボイス制度の影響を完全に回避できる制度ではなく、買い手側では実務負担が軽減される一方、売り手側では制度対応が引き続き求められる点が実務上の重要なポイントとなります。

インボイス制度における簡易課税と2割特例(3割特例)の選択のポイント

免税事業者が適格請求書発行事業者になる場合、簡易課税制度と、インボイス制度に伴う経過措置となる「2割特例」のどちらの制度を選択するかは、慎重に判断する必要があります。

2割特例は、適格請求書発行事業者となった元免税事業者が、納付税額を売上税額の2割に抑えられる経過措置で、事前届出が不要な上、確定申告時に選択できる柔軟性が特徴です(実質みなし仕入率80%相当)。
なお、令和8年度税制改正大綱では、インボイス制度の負担軽減措置として、フリーランスなどの個人事業者については、2027年度から2028年度までの2年間、納付税額を売上税額の3割とする「3割特例」が新たに設けられました(実質みなし仕入率70%相当)。

簡易課税制度との比較では、業種別のみなし仕入率が判断のポイントとなります。卸売業(90%)など、みなし仕入率が高い業種では、簡易課税が有利になるケースがあります。

また、制度上の違いとして、2割特例(3割特例)は確定申告ごとに選択できるのに対して、簡易課税制度は一度選択すると原則として2年間の継続適用が必要です。
このように、納税額の有利不利だけでなく、事務負担や柔軟性を重視する場合は、経過措置となる2割特例(3割特例)のほうが適しているケースもあります。

実務的には、まず特例制度で制度移行に対応し、その後の事業規模や取引構造の変化を見て簡易課税への移行を検討するという段階的な選択が、現実的といえるでしょう。

参考:財務省「令和8年度税制改正の大綱[PDF](ブラウザで開きます)

※令和8年度の税制改正大綱についてはこちらの解説もご覧ください。

令和8年度税制改正から読み解く「デジタルシームレス時代」の経理DX

簡易課税制度を踏まえた制度選択と、業務効率化を進めるためにデジタル化を

簡易課税制度は、消費税計算を簡素化し、経理・申告業務の負担を軽減できる制度です。みなし仕入率の高い業種や、人件費比率の高い事業では、原則課税より有利になるケースもあります。

一方で、設備投資時の還付が受けられないことや、2年間の継続適用義務があることから、制度の選択には事業の実態や今後の計画を踏まえた検討が欠かせません。2割特例・3割特例との比較においても、業種の特性や仕入れの構造、今後の事業の広がり方を踏まえて考えることが大切です。

また、課税事業者になると、請求書発行や経理処理などの実務負担は確実に増えていきます。こうした負担を抑えるためには、電子請求書システムなどのデジタルツールを活用し、請求・経理業務を効率化していくことが現実的な対応策といえるでしょう。

インフォマートが提供する『BtoBプラットフォーム 請求書』は、適格請求書に対応した請求書の自動作成や、請求書データの一元管理を実現できる電子請求書システムです。インボイス制度への対応と業務効率化を同時に進める手段として、ぜひ導入をご検討ください。

よくあるご質問

Q. 簡易課税選択届出書を提出していても2割特例を選択できますか?

簡易課税制度選択届出書を提出している場合でも、申告時に2割特例を選択することが可能です。事前の届出は不要で、実際の消費税申告書を作成するタイミングで、簡易課税と2割特例のうち税負担が軽くなる方(有利な方)を計算して自由に選ぶことができます。 詳細は「インボイス制度における簡易課税と2割特例(3割特例)の選択のポイント」をご覧ください。

Q. 簡易課税と2割特例、どちらが有利ですか?

業種(みなし仕入率)によります。2割特例は仕入率80%相当の計算となるため、卸売業(第1種・90%)などみなし仕入率が高い業種では簡易課税が有利になるケースがあります。小売業(第2種・80%)は同額となり、製造業やサービス業など(第3〜6種・70〜40%)であれば2割特例の方が税負担が軽くなります。 詳細は「インボイス制度における簡易課税と2割特例(3割特例)の選択のポイント」をご覧ください。

Q. 簡易課税を途中でやめることはできますか?

原則として、一度簡易課税を選択すると「2年間」は継続適用が義務付けられ、途中で課税方法を変更することはできません。本則課税に戻す場合など、簡易課税制度をやめる場合は、2年間の継続適用期間が終了した後の課税期間開始日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を税務署へ提出する必要があります。 詳細は「簡易課税制度をやめる場合の手続き」をご覧ください。

監修者プロフィール

監修者:宮川 真一

監修者:宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは25年以上たちました。現在は、宮川真一税理士事務所の代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。

【保有資格】CFP®、税理士

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