指示待ちゼロ。スタッフが店のすべての舵をとる、
“現場主体”の店舗運営には、ITの活用が欠かせません。
2008年に設立された株式会社Globridge様は、「“企”業家輩出」と「世界一」を理念に掲げ、飲食店の直営・FC運営とコンサルティング事業を手がけておられます。独自戦略に基づいて展開している65店舗の業態は肉バル、海鮮居酒屋、チーズ専門店とバラエティに富んでいます。その思考を支える発注データの活用方法を、大塚誠代表取締役社長と事業部マネージャー様に伺いました。
ココがPOINT!
- 1発注をオンライン化。伝票からデータ入力していた手間を削減。
- 2POSレジデータと仕入データを連動、原価の推移を見える化。
- 3単純作業はIT化。本来やるべき仕事に注力。
世界一を掲げ漕ぎ出した、グロブリッジ号の目指す先
― 企業理念に「企業家輩出」と「世界一」を掲げておられますね。
起業家ではなく、企てる方の企業家を世の中に送りだすのが、使命であり私の存在理由だと思っています。なぜなら、若い頃の自分を変えたのが、この「企業家輩出」という理念だったからです。これは私の前職であるベンチャー・リンクという経営情報の提供とフランチャイズ加盟店開発事業を行う会社から教わった考え方です。
昔の私は言い訳ばかりで、自分の人生にまったく納得していませんでした。幼少時からおこづかいも貰えず贅沢もできなかった暮らしをサラリーマンだった父親のせいにし、いろんな人を羨ましがり、でも頭も良くないしコネもない、結局父と同じ道を歩むしかないんだ、しょうがないんだと考えていました。
しかし前職で、今の自分をつくっているのは過去の自分の選択だと気づかされました。その道を歩んでいるのはかつて自分がそう選んだからで、納得していない未来の自分をつくりたくないなら、今の選択を変えるしかない。この考え方を実現できるようになり、私の人生は変わりました。
人生はいわば海と同じで、自分が船長として舵をとり、今ここにいる。自分がなりたいと思う自分になれ。それが企業家輩出です。
代表取締役 大塚 誠 様
― もう1つの理念、「世界一」についても教えてください
これは企業家になるために必要な指針のひとつです。自分のなりたい姿に近づいてくると、そこで妥協してしまうことがあります。常に届かない状態、今の自分よりもっと良い未来を目指すため、高い志が必要です。世界一が具体的にどういう事か、基準は何だというのは本質ではなく、どう生きるかという生き方を表しています。
― それらの理念のもと、飲食業を選ばれたのはなぜですか?
確かに、企業家輩出と世界一を実現させるにはテーマは何であっても構わないのですが、生きている限り食事をしない人はいません。ということは、食というテーマは自分自身が当事者、関わる人全員が当事者です。世界中すべての人に共通する、こんなテーマは他にありません。食の問題は自分の問題でもあり、この世界がハッピーになるものを一生懸命つくっていくと結局自分もハッピーになれるということが飲食を始めた理由のひとつです。
そして飲食業というのは、お金を払ってくれる人と直接向き合える仕事です。つまり自分の提供するものの価値を判断する相手が、常に目の前にいる状態です。自分がどんなにいいサービスを提供しているつもりでも、それが相手にとって価値がなければ評価してもらえません。これは常に自分の弱さに向き合い、高みを目指していかなければならない企業家にとって、とても価値のある事です。
自分で決める。マーケティングと意思決定は現場の権限
― 独自のSCM(ストア・チェンジ・マネジメント)戦略とはどのようなものでしょうか
現在展開している65店舗は業態も様々ですが、すべてストア・チェンジ・マネジメント(SCM)という戦略に基づいています。マーケティングと意思決定はセットで、現場の人間がマーケティングして判断する、社長の指示を待つのではなく自分たちで決めるんです。業態もコンセプトも基本的に全部現場が決める、それがSCMの発想です。
― なぜそのような戦略をとられているのですか?
店舗の環境変化に一番気づく事ができるのは現場の人間です。たとえば、隣の飲食店が雨の日半額セールをやっているとか、工事の通行止めで人の流れが変わるとか、本社は知りようがありません。それに、環境変化に気づいてどんな対策を立てるか、半額セールに対抗する何かを打ちだそうとなった場合も、いちいち本社にお伺いを立てていては時間がかかります。ですから意思決定の権限は現場スタッフです。決めるのを誰かに依存しません。
システム化でコストマネージメントと効率化をはかる
― 考えるための環境づくりとは具体的にどのような事でしょうか
スタッフ一人一人が「目で見て、考える」ためには、やはり根拠となる数字が必要になるので、それらを簡単に集計できる状態を整えることが大切です。その店が追っている目標に合わせて、取る数字も変えています。ただ、利益率は必ず追っているため、仕入れ原価を重要視し、日次で管理しています。
日次管理の問題は、とにかく手間が掛かるということです。店の売上はPOSレジから分かるのですが、食材の仕入れデータがないので、原価率は発注した伝票を元に手で計算しないとわかりません。一日だけなら大したことはないですが、毎日の作業と考えるとかなりの工数が掛かるのです。
『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入してからは、発注がオンラインで可能になり、発注データの扱いも劇的に楽になりました。専用のエクセルファイルを作り、システムからダウンロードした発注データを貼り付けるだけで、原価の推移などが簡単にみえるようになりました。コストマネージメントもしやすくなって、もちろん手作業の入力も必要なくなりました。
システム化による手間や工数の削減のメリットは、原価率の算出だけではありません。とにかく色々な数字の管理にはITを活用して時間短縮し、本来やるべき仕事に注力すべきです。
例えば「発注・納品伝票と請求書の突合せ」や「勤怠管理」といった、単純作業で現場が時間をとられる必要はないと思います。システム化するか、あるいは外注できるものは積極的にアウトソーシングして、効率化すればいい。一見コストがかかるように思えるかもしれませんが、実はそれ以上に社内の人件費や時間を圧迫しているものです。
昔は、弊社も私や店舗のスタッフがいわゆるバックヤードと呼ばれる経理、労務、総務、庶務などをすべてやり、販促プロモーションも自分たちでやっていました。しかしそうすると、結局新しい事業に挑戦したり、新規出店エリアを見にいったりという、本来やるべき事ができなくなってしまいます。これでは本末転倒ですから。
― 今後、飲食業は専業・分業化をより進めていくべきでしょうか
もっと取り組んでいくべきです。今の飲食業は、働きたくないというイメージで語られたりしがちです。しかしそれも、もっと分業して効率化をはかることで、労働時間を削減できるはずです。それが労働環境の改善につながり、飲食業そのものの見方が変わると思っています。
消費者の立場では、外食産業はないと絶対困りますよね。友達と飲んだり、恋人とデートしたりするには飲食店の存在は欠かせないありがたい存在です。
さきほど申し上げたように、食は人の一生にかかわり続けるテーマです。ここをどんどん良くしていった方がいいですよね、それが我々自身のハッピーにもつながっていくと考えています。
弊社では、様々な業態で展開している65店舗の発注に、インフォマートの発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入しています。私が入社したのは導入後ですが、以前は毎日FAXでのやりとりで苦労していたと聞いています。 食材の発注データはP/L管理や原価削減、適正化に活用しています。たとえば、システム上で取引先毎に金額がわかります。その日の仕入れの合計がわかるので、各店の店長が日次損益を容易に把握できるようになります。
原価率の上昇などの気になる点があれば、仕入先別に過去の発注を比較するなどの原因分析も可能です。日次でこういった管理ができるのはデータ発注ならではでしょう。システム化されていなければ、何をどれだけ仕入れたかジャンル分けできません。現場の作業量、ストレスはまったく違うと思います。
また、メニュー1品ずつの理論原価と実原価の差異も、発注データとPOSレジの販売数から算出できます。自社で構築した専用のエクセルファイルに、ダウンロードした発注データを貼り付けて、レシピごとの原価率の差異を数値化させています。現場が漠然と感じている課題があれば、それを目で見える数字にすることで、現場とのミーティングでも改善方法を具体的に打ち出せます。このメニューごとの原価管理には『メニュー管理機能』が活用できるのではと考えているので、今後はうまく活用していきたいと思っています。
事業部マネージャー様
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BtoBプラットフォーム 受発注
- 受発注・請求書業務を最適化
メニュー管理
- レシピごとのアレルギー・原価・食材の原産国、調理工程などのオペレーション管理が可能。
Globridge×ROI×インフォマート特別対談
- 顧客分析で見えた、飲食店の新規客獲得術
倒産危機からV字回復を実現セミナー
- 現場で指揮をした2人の敏腕マネージャーが、なぜ全店舗業態転換を成し遂げたのか?
設立 | : | 2008年9月 |
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事業内容 | : | 飲食店の経営、コンサルティング事業 |
代表者 | : | 代表取締役 大塚 誠 |
本社所在地 | : | 東京都港区赤坂3丁目11番地3号 赤坂中川ビルディング2F |
企業サイト | : | http://www.globridge.co.jp/ |
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