グループ間の請負契約の電子化で、対面の押印が不要に。年間700万円かかっていた収入印紙の削減もできました。

石川県を本拠地とし、北陸エリアの不動産業界でトップクラスの知名度をもつ、さくらホームグループ様。「さくらホーム」、「マスターズ」、「AXSデザイン」、「リックプロ」のグループ4社で、“くらし”に関わるサービスをワンストップで提供しています。グループ会社間で交わされる契約書にかかっていた印紙代は年間約700万円。契約書の電子化で、コスト削減と業務効率化が両立しました。
ココがPOINT!
- 1年間約700万円分の収入印紙と、紙・インク代が不要に
- 2対面での押印が不要になり締結の時間が大幅に短縮
- 3データ保管で場所をとらず、必要な時すぐ取り出せる
年間1000件あまりの契約書、印紙代は約700万円
― 北陸でトップクラスの不動産仲介件数、新築住宅着工件数と伺っています。
さくらホーム 経営企画課 伊藤直樹氏(以下、伊藤氏):不動産仲介や買い取り、賃貸管理を担う「さくらホーム」、不動産開発を行う「マスターズ」、分譲住宅やアパート建築の企画・設計・施工を行う「AXSデザイン」、外装リフォームを専門に行う「リックプロ」という4事業会社を中心に、不動産と暮らしの総合サービスを提供するさくらホームグループを形成しています。
グループの強みは、お客様のニーズに応じたご提案をワンストップでご提供できることです。土地探しや賃貸、分譲住宅の販売や注文住宅・投資物件の建築、、増改築の施工まで、プロフェッショナルのグループ会社が密に連携することで住まいに関するあらゆるご要望にお応えしています。
グループ内の取引としては、マスターズが新築分譲住宅や賃貸アパートの企画・設計・施工をAXSデザインに発注する件数が多く、このマスターズとAXSデザインとの間で交わす請負契約を、発行から締結まで『BtoBプラットフォーム 契約書』で電子化しています。
― 電子契約書を導入した理由を教えてください。
伊藤氏:当社は、もともと会社をあげてペーパーレス化に積極的に取り組んできました。グループウェアを創業当初から導入しており、業務上のやりとりは基本的にデータ化し、管理をしています。近年になって契約書を電子化するサービスが登場したことで、こういったサービスを活用しようというのは自然な流れだったかと思います。まずはグループ間の契約書の電子化からスタートということで検討を始めました。
実は私自身、別の企業に勤めていた時に法務部に所属していた経験があります。書面の契約書を毎日作成していて、大変な業務だと感じていたので、もし契約書が電子化されたら、率直にかなり楽になるだろうなと期待しました。
さくらホーム 経営企画課
伊藤直樹氏
― 電子契約書サービスの中で『BtoBプラットフォーム 契約書』を選んだ決め手は何ですか?
伊藤氏:数社で比較検討しましたが、グループ会社間での契約の電子化を想定していましたので、まず『BtoBプラットフォーム』という名称に自然と目がとまりました。利用料金の面も、我々が発行する契約書の年間件数に対し、価格とプランがちょうどマッチしましたし、フリープランで実際に使い心地などを確認できるお試し期間があったのも安心できました。また、クラウド型のサービスで、電子帳簿保存法に対応していたのもポイントです。
― 紙の契約書には、どういった課題を感じていたのでしょうか?
伊藤氏:一番は、収入印紙にかかるコストです。マスターズとAXSデザインとで交わされる請負契約は、細かいものも含めると月に80件前後、年間で1,000件ほど発生します。新築分譲住宅の建築工事などは1件につき収入印紙は1万円程度。地盤改良や仕様変更といった追加工事や外構工事といった細かい契約でも数百円の印紙代が必要です。グループ会社2社間の契約でそれぞれに印紙が必要なので、ざっくり計算して年間700万円ほど印紙代がかかっていました。
株式会社AXSデザイン本店 店長 金井寿義氏(以下、金井氏):AXSデザインは本店の他、石川、富山、福井にそれぞれ営業所があり、マスターズから発注を受けた工事の請負契約書を作成しています。物件ごとの担当者が、設計プランや請負金額など事前の打ち合わせで決めた内容に基づきひな型に入力して契約書を作っていました。
見積書や図面、約款といった添付書類と共に、まずPDFで社内グループウェアにアップして承認を得ます。実際に契約となったら、関係書類を印刷、製本したものが2通本店に届き、私と上長が内容を確認した上で社判を押印し、マスターズに持参していました。グループ会社間の契約で会社自体も同じ建物内ですが、その場で決裁をもらうため、マスターズ側のスケジュールを確認した上で持参する必要があります。週に1度か2度、とりまとめて持っていくので、契約書を発行してから締結まで早くて2日、場合によっては5日ほど要していました。
締結した契約書は最終的に本部がファイリングして管理しますが、紙の書類だと必要な時に探し出す作業が煩雑なのも課題でした。購入者から工事内容のお問い合わせを受けたり、税務上の確認などで、過去の書類が必要になることもあります。ある程度時系列にラベリングされていますが、量が膨大ですから。
AXSデザイン本店 店長
金井寿義氏
収入印紙や印刷にかかるコストを削減、業務効率もアップ
― 電子契約書の導入効果はいかがですか?
伊藤氏:印紙代は大きく削減できました。加えて、印刷するとカラーで何十枚も必要な図面や約款といった添付書類もペーパーレス化しましたので、紙やインクにかかるコストも減っています。
金井氏:これまで各営業所で担当者が行っていた、グループウェアへの契約内容の登録作業は、本部の事務スタッフひとりで行うフローになり、効率化しました。担当者が休みの時は別のスタッフが問題なく代わりに行っています。
社内承認を経た契約書類は内容の確認後、画面上で社判を押してマスターズへ送信するだけです。マスターズとのスケジュールの調整や会社間を行き来し書類を手渡しする必要がなくなり、書類を溜めることもなくなったので締結までスムーズになりました。マスターズ側が電子で押印した契約書は早ければ即日戻ってきます。これまでかかっていた時間の半分以下に短縮されました。
また、紙ベースでの保管がゼロになり、必要なデータがすぐ取り出せるようになったのも助かっています。
伊藤氏:コロナ禍で、対面での直接手渡しを避けたほうが良いとされる中、非接触が実現できたのもよかったです。契約締結までの承認や押印といった流れは、紙も電子も変わらないので手間が増えるわけではなく、双方の効率化につながっています。
― 導入にあたって工夫された点はありますか?
伊藤氏:現場の手間や確認漏れを減らせるよう、差し戻しや却下など対応が必要な場合は、RPAを使ってグループウェア上で担当者へ通知するようにしました。メールでも通知が来ますが、こういった情報はどうしても見逃しがちになります。弊社ではグループウェアが業務の中心になっているため、『BtoBプラットフォーム 契約書』以外のシステムもRPAを活用して情報を集約しています。
ちなみに、弊社ではグループウェアやRPAを駆使して業務効率の向上に積極的に取り組んでいます。最近では「ビジネスソリューション事業部」という部署を発足し、我々のDXノウハウを生かして他の中小企業でもグループウェアやRPAをご活用いたけるよう、コンサルティングや導入支援サービスを行っています。私もその事業部のメンバーとして活動しています。
グループ会社間での取引に電子契約書は有効
― 今後の展望をお聞かせください。
伊藤氏:マスターズとAXSホーム間のやりとりは電子化できましたが、マスターズとさくらホーム、あるいはマスターズと他グループ会社間では、まだ紙の契約書が残っています。今後は、その電子化も進めていくことで、コスト削減と業務効率化を促進できると感じています。まずは、グループ会社内の書類の電子データ化を実現させたうえで、将来的にはグループ外の法人顧客との請負契約も電子化を目指していきたいです。
さくらホームグループが利用しているサービスはこちら
サービスの詳細は資料で確認!
- サービス概要や機能詳細、特徴、料金体系
- ご利用までの流れ、電子化後の運用イメージ
BtoBプラットフォーム 契約書
- 契約書の締結・管理・ワークフロー(社内承認)を電子化
設立 | : | 1995年3月 |
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事業内容 | : | 「さくらホーム」「マスターズ」「AXSデザイン」「リック・プロ」の4社で、不動産と暮らしの総合サービスを提供。2019年12月には、自社のDXノウハウを生かして中小企業の業務効率化を支援する「ビジネスソリューション事業部」を発足 |
代表者 | : | 代表取締役 地渡 政彦 |
本社所在地 | : | 石川県金沢市藤江北1丁目380番地 |
企業サイト | : | https://sakura-home.group/index.html https://bs.sakura-home.co.jp/(ビジネスソリューション事業部) |
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