業務用冷凍パンの取引増加で受注処理をIT化。
確認作業を減らし、取引先の要望に応えます。
全国3500社以上のホテルやレストランに業務用冷凍パンを提供する株式会社スタイルブレッド様。品質の良さが評判となって、ここ数年で受注件数が大きく伸びました。その裏でFAX注文の処理が遅れて商品の配送時間を圧迫していたため、取引先が無料で利用できる受発注システムを導入。取引先の利用率を高めた秘策を、受注チーム担当者に伺いました。
ココがPOINT!
- 1FAX注文書で多発した受注内容の確認作業が解消
- 2受注チームの業務量が軽減し、管理体制を強化
- 3取引先へのシステム利用依頼時に、FAX・電話で利点を説明
冷凍パンを変えた自家製「桐生酵母」
― 御社と、主力商品の冷凍パンについて教えてください。
取締役執行役員(以下、取締役):当社は群馬県桐生の地で1930年に開業しました。おまんじゅう作りから始まって、徐々にベーカリーとして発展していきましたが、創業から続く自家製酵母をいまでも使っています。桐生の水と風で育った酵母ということで、『桐生酵母』と名付けています。冷凍パンを扱ったのは15年ほど前です。当時のレストランでは1万円のディナーでも1000円のランチでもパンは同じで、美味しいものがありませんでした。当社の自家製酵母を使えば美味しいパンを作れるのではないか、との思いから業務用冷凍パンの製造をはじめたのです。
自家製酵母は、安定させるのが難しく大量生産に向きません。それを、県産小麦をメインに使い、桐生酵母での発酵時間や焼き方など研究を重ねて、召し上がっていただくときに最も美味しくなるように、発酵、調製、冷凍の過程をつなげています。ふつうのパンを冷凍するのとは、発想も作り方もまったく異なっていると考えています。
取締役執行役員
取引件数の増加が生んだ、深刻な課題
― どのような取引先が多いのでしょうか?
取締役:主にホテルとレストランです。おかげさまで取引件数は年々増えていったのですが、一方で注文内容の確認など受注チームの作業も多くなり、商品の梱包や配送も遅れるという課題がありました。ホテルのお客様と取引する際、それぞれが利用している発注システムに対応していく必要があります。また、ホテル指定の専用伝票で提出しないと受け付けてもらえないのです。そもそもホテルはその業務の性質上、当日の朝にならないと注文が確定しません。午前中になんとか受注をとりまとめ、不明点を確認し、午後いっぱいですべてを梱包・配送しなくてはなりません。
レストランの場合はさらに大変で、発注方法が多岐にわたっています。FAXや電話がメインですが、メールや営業が聞いて受注チームに連絡することもありました。いずれの場合も、商品名や個数、入数、カットの有無が不明だったり、発注元がどこか分からない、という注注文もありました。
不明な点はひとつひとつ連絡をとって確認して、すべてのデータを基幹システムに入力します。とにかく確認作業が多いのです。常にオフィスが混乱しているような状態で、携わるスタッフはみな疲弊していました
D&Sグループ・マネージャー(以下、マネージャー):取引先様ごとに専用のFAX発注用紙を作って配布することもしていました。ただ、内容を変更することになったら大変です。商品そのものや、入り数、カット方法が変わることもあります。そのたびに商品コードを変更し、それを取引先にお伝えするのですが、なかなか修正してもらえず、いまだに何年も前の仕様で注文をいただくこともあります。そこで、自分たちで管理でき、取引先様にも無料でご利用いただける受発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』を導入しました。
D&Sグループ・マネージャー
システム導入と驚異的な協力店の拡大
― なぜそのシステムを選ばれたのでしょう?
取締役:もともと営業担当から『ライト』を使いたいお客様がいるという声があったのですが、決め手は、以前から通常タイプの『BtoBプラットフォーム受発注』を使っていてオペレーションがスムーズになることが最大の要因でした。それだけでなく機能性、金額、操作性という点で、他とくらべて当社の現場には合っているという判断でした。
マネージャー:導入して間もないため、効果はこれから出ると思います。大事なのは、導入して終わりではなく、いかに有効に活用するかです。そのため当社では、システムを導入後、電話やFAXなどで発注されている飲食店様すべてに、システム発注促進のご案内状をFAXで送りました。新しく受発注システムを導入したことや、そのメリット、さらにそれに賛同してご利用を、という内容です。
FAXを送っただけでは埋もれたり、すぐに動いていただけないので、翌日電話でも説明しました。「実際に画面を見ながらご説明いたします」と切り出していくのです。PCやスマホを使い慣れていない方も少なくありません。『うちの厨房にはPCもスマホもないよ』などとお叱りを受けたこともありました。それでも丁寧に説明し、ご提案することで話を続けていって、徐々にご理解いただくようになりました。
― システムで発注する取引先は増えましたか?
マネージャー:会員登録数は導入した月は12件で、翌月以降100件、240件、300件と伸びています。受注金額も導入初月が数万円ほどでしたが、1年もたたずに1500万円を超えています。ただ、増え方は早いとは考えていません。システムで発注いただくお取引先様が増えたとはいえ、それでも受注全体の4割ほどはまだFAXなど従来の方法のままです。ホテルの場合、すでに導入している発注システムがあるのでそう簡単には変更できませんが、ゆくゆくはFAX注文を今の半分にしたいです。
取締役:受注チームを逼迫させていた業務からは、多少は解消されました。ただし、まだまだ全体の業務量からいえば、楽になったのはわずかな部分に限られています。むしろ、この受注システムを導入したことで、やるべきことの道筋が見つかった、というのが何よりの効果でした。
受注入力から受注管理へ
― 今後の展望が見えてきたということですか?
マネージャー:インフォマートの受発注システムでは、受注データをCSV形式で書き出せます。現在は、これを納品書として印刷しているのですが、膨大な件数になるため自動化しようと考えています。人手の必要な一連の業務手順を、RPA(人間のみが対応可能と想定されていた作業を、コンピューターが代行する仕組み)に代行させることで、24時間、自動的に納品書の印刷ができるようシステムを組み直しているのです。これによって、今後さらに取引先が増えても、人員はそのままで時間的ロスをなくせます。
また、請求書のデジタル化も考えています。5・10日や月末が締日なので、毎週請求業務をしているのですが、システム化すればかなり時間を削減できます。IT化で人間の作業をなくすことで、受注を管理する方向に舵を切っていきたいと考えているのです。お取引先様の誤発注の確認だけでなく、そこから要望をくみ取って、営業や製造の業務に反映していくことが本来すべきことですから。
取締役:コロナ禍にあって、宿泊業や飲食業が厳しい中、当社でも東京、大阪のスーパーなど小売業向けの販路を開拓しています。やがてコロナが収まれば、販路拡大した分、取引先はさらに拡大するかもしれません。そうなったとしても、頻繁に取引先と接して、きめ細かい対応をしていきたいですね。
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BtoBプラットフォーム 受発注 ライト
- 受発注・請求書業務を最適化
株式会社スタイルブレッド
設立 | : | 2006年5月(創立1930年) |
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代表者 | : | 代表取締役 田中 知 |
事業内容 | : | パンの製造・販売 |
所在地 | : | 群馬県桐生市広沢町1-2525-2 |
企業サイト | : | https://stylebread.com/ |
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