株式会社マツヤ掲載日 2022年4月21日

受注作業のIT処理で残業時間を削減。
余裕を作り社員の幸せを追求します。

利用サービス 受発注(受注) | エリア 関西 | 業種 総合卸 | 取材日 
みやぎ米屋株式会社

ヨーロッパ産の食材をメインに取り扱う株式会社マツヤ様。大阪で創業後、東京、神奈川、名古屋、京都、神戸、九州、沖縄に拠点を広げ、ホテルやハウスウェディング、飲食店と取引されています。
取引拡大による長時間労働の解決のため、『BtoBプラットフォーム受発注ライト』を導入。毎朝の注文確認や受注処理に要する時間が削減でき、常態化していた残業体質が改善できつつあるといいます。

ココがPOINT!

高級食材を武器に大阪から全国へ

― 主に高級食材を取り扱いされていますね。

取締役 大阪支店支店長 山本 浩二 氏(以下、山本支店長):当社は今年で創業65年になります。最初はミナミで珍味やお菓子を販売していましたが、少しずつ高級食材を扱うようになりました。現在では主にヨーロッパの専門食材に特化し、3,000品目ほど揃えています。

取引先としては、ヨーロッパの専門食材を使っていただけるイタリアン、フレンチ、スペイン料理といった洋食の専門店のほか、シティホテルやハウスウェディングが主要な取引先になります。高級店だけでなく、手ごろな価格帯のバルなど幅広くあります。

商品は業務用だけではありません。コロナ禍に入った2020年には、フランス、イタリア、スペイン産の食材を専門に取り扱う会社「FIS」を立ち上げ、飲食店様が店頭販売できる小売商品も扱っています。おかげさまで、店内飲食の売上が伸び悩んでいる飲食店様にご好評いただいています。

取締役 大阪支店支店長 山本 浩二 氏取締役 大阪支店支店長
山本 浩二 氏

常務取締役 大谷 浩平氏(以下、大谷常務):手に入りにくいヨーロッパの食材でニッチな路線を狙っていますが、珍しいだけではありません。専門食材を取り扱い始めてから一貫して、品質のしっかりしたものを、こだわりを持って販売しています。

山本支店長:キャビア、フォアグラ、トリュフ、生ハムなどは、飲食店様ごとに好みが違います。特にキャビアは、価格はもちろん産地やチョウザメの種類、粒の大きさ、熱処理しているかフレッシュかなど、同じ系列店でもシェフによってご要望が異なります。仕入れたロットによって味も変わります。

そこで当社では、自社ブランドのFISについては毎回の取引で品質のばらつきが出ないよう、工房で小分けにして品質チェックしています。もちろん、食の安心・安全に細心の注意を払っています。われわれ営業が販売する際も、良いものですと安心していえる環境です。

常務取締役 大谷 浩平氏常務取締役
大谷 浩平氏

品質管理をするFIS工房品質管理をするFIS工房

効率化の目的は「時短」と「正確さ」

― 基幹システムを刷新されたそうですね。

システム管理部 次長 小嶋 康之氏(以下、小嶋次長):コロナ禍前の2019年、取引件数が増えたことで基幹システムをリニューアルしました。受発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』の取引データをCSVにして、基幹システムに取り込めるようにしたことで、一気に社内のIT化が進み始めました。

それでも、取引先の飲食店様がシステムを使って発注していただかないことには意味がありません。そこで取引先が無料で発注できるシステム『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』を導入したのです。稼働後は大阪支店だけでも、12月の受注額で3000万円ほどシステム処理できました。12月はもともとベースが高いのですが、それでもやり始めて2ヶ月ですから、大きな導入効果があったといえるでしょう。

受発注システム導入の目的は、まずは従業員の時短です。それまではFAX注文がメインで、朝からFAXをもとに注文内容を打ち込む必要がありましたが、『ライト』で注文内容を基幹システムに手入力なしで取り込めるようになりました。

また、受注の間違いをなくすことも目的です。毎日発注されているお取引先様は「いつものサーモン」と注文しますが、こちらはいつも同じ担当者が受注するとは限りません。基幹システムで過去の履歴を確認することはできますが、それでも間違いを起こす可能性はあります。受発注システムを使って、お取引先様が注文した商品を基幹システムに直接取り込むことができれば、間違いは確実に減らせます。

システム管理部 次長 小嶋 康之氏システム管理部 次長
小嶋 康之氏

― 導入後の効果はいかがですか。

山本支店長:営業の勤務時間は7時から16時ですが、発注書を出力しないことには1日の作業がはじまりません。そのため定時よりずいぶん早く出社してきて発注書を印刷し続けるわけです。それが受発注システムを使うことで、300件の注文を一括してシステムに取り込めるようになりました。私が以前勤務していた京都支店では、6時前には出勤していたのが、6時40分出勤でよくなり、さらに、退社時間は20~21時になることもありましたが、今では早い日には18時で退社できるようになりました。

― 作業時間の短縮以外で変化はありましたか?

山本支店長:当社では営業担当が配送もします。ですからひとつの入力のミスが、商品の再配送などで多大なロスを生むことをみなが知っています。それを注意力と集中力でカバーするのが当たり前と考えていました。業務のIT化を進めたのも、会社全体で「ロスはお取引先様に迷惑を掛けること」という認識があるからです。これは大きいことだったと思っています。

大谷常務:配送の遅れが出ない。正しい商品をきちんと届ける。これが「安心・安全」につながっているのは間違いありません。ロスをなくすことも商品の「安心・安全」の保証に繋がる大事な要素ですからね。

― 取引先がシステム利用することについて、反応はいかがでしたか?

山本支店長:先方の反応は、おおむね良好です。最初はチラシをFAXでお送りします。読まれない可能性もありますから、営業担当が必ず顔をだして直接ご説明しています。検討しはじめた段階で、あらためて営業が訪問して、実際にスマホで発注していただくようにしています。当社の時短が進んだように、お取引先様でも成功事例が出ています。受発注のIT化がいいものであることは確かです。

大谷常務:現状を変えることは誰だって面倒。嫌がるのは当然です。楽になると分かっていても、そのためには大きなハードルを越えなくてはならない。ましてやお取引先様にもご協力いただくわけですから、現場の作業はさらにハードルが上がります。そこをどう切り拓いていくかは、現場のトップの手腕にかかってきますね。

RPAの推進で、従業員の幸せを加速したい

― 時短が実現しミスも減ってきました。次の目標は何でしょう?

小嶋次長:基幹システムの刷新に合わせてRPAで業務の自動化を進め、その両輪で効率化を図っています。システム導入を果たしたときは「受注データが自動で取り込まれてすごく楽になった」とみな喜びますが、そのうち当たり前の感覚になります。そうなると次にまた新しい動きを起こす必要が出てきます。システム担当としては、RPAを今後さらに進めていきたいです。時短によって余裕を生み出すことが、社員の幸せにつながりますからね。

山本支店長:おもしろいもので、効率化による時短を進めてもらうと、もう一方でさらなる売上アップへの意欲が増してきますね。せっかく時短をお膳立てしてくれたのだから、さらに前に進もうと思います。

大谷常務:コロナ禍をきっかけに一般消費者の消費動向が変わってきつつあります。ホテルやレストランで提供されたメニューと同じ商品を購入したいという消費者は多くいらっしゃいます。そこに応じて、冒頭でいった「B to B to C」のサービスをはじめました。また今後は一般消費者向けのラインナップに力を入れていこうと考え、高級食材のECサイト「グルメプラザFIS工房」を立ち上げました。これらの事業が大きく育つよう期待しています。

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株式会社マツヤ

設立1972年6月1日(創業1957年4月22日)
事業内容西洋料理食材の企画・開発・製造・販売
代表者代表取締役社長 大本 博敏
本社所在地大阪市浪速区立葉2-2-23
企業サイトhttp://www.mw-matsuya.co.jp/
ECサイトhttp://gourmetp.com/
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