株式会社新栄商行掲載日 2022年6月10日

OCR機能でFAX注文書をシステムに自動読み込み。
毎日90枚の手入力作業が解消しました。

利用サービス 受発注(受注)/ TANOMU | エリア 九州 | 業種 食品卸 | 取材日 
株式会社新栄商行

福岡市に本社を置く、株式会社新栄商行様。中国料理食材専門の食品卸として、大手ホテルや中華レストランなど約500店の取引先に毎日中国食材を届けています。

これまでの課題は、1日に100枚近いFAX注文書の手作業による入力処理でした。受発注システム『TANOMU(タノム)』の導入により、注文内容をFAX OCR機能で読み取ることができるようになったおかげで、約90%(90枚)の手入力作業が解消しました。代表取締役社長の王 徳英氏に、生産性向上の秘訣を伺います。

ココがPOINT!

中国料理食材の専門商社として、多品種・小ロットの注文に対応

― 創業が昭和32年と古いですね。

代表取締役社長 王 徳英 氏(以下、王社長):もともとは祖父が創業者で、私は3代目です。祖父はまだ日本と中国の国交がない時代に、中国から美術品や食品などを持ってきて日本で販売していたと聞いています。その後、2代目に就任した父の考えで、中国の食品に特化した卸売業になり、現在の新栄商行としての歩みが始まりました。現在は約500社のホテルやレストランと取引し、中国料理食材を販売しています。

当社は、専門的知識に基づいた多品種・高品質の品ぞろえを、小ロットでご提供しています。配送エリアは、九州地方については自社便を使用し、その他の地域へは同業者やヤマト便を利用して、全国のお取引先様に食材をお届けしております。

― 多品種・小ロットの配達で、長時間労働が課題と伺いました。

社員の労働時間は、徹底して短くしたいですね。そのために現場の負担を減らすことは重要です。当社では1台あたりの売上金額の上限を設定し、それを超えたらルートを増やす、分担して配送するなどの仕組みを導入しています。基本的には8時間以内で帰社できるようにし、8時間を越えるルートについては週休3日制を導入したり、当社の送料負担で発送するなど工夫しています。

私がこの業界に入った当時は、商品を車に満載させ、朝9時に出て夜10時に帰ってくるようなこともありましたが、今は時代が違います。社員の労働時間を減らす工夫は惜しみません。

1日100枚のFAX受注が負担に

― 2022年3月に受発注システム『TANOMU』を導入し、FAX-OCR機能を利用されています。

王社長:もともとは、FAXをデータ化してダウンロードすることが一番の目的でした。当社には個店の飲食店様を中心にFAXでご注文される方が多く、週末など多いときには1日100枚以上のFAXが届いていたのです。中国人のお取引先様には、日本語があまり得意でない方もいらっしゃいますから、FAX用紙のフォーマットを工夫して中国語で発注できるようにしていました。

しかし、FAXだとネットでの注文に比べて「送った・送っていない」のトラブルが発生しがちです。手書きの文字が不鮮明で、確認が必要なこともあります。1日に100枚も来ると、それを担当者ごとに仕分けして販売管理システムに入力する作業も大きな負担です。そこに割く時間がもったいないと感じていました。

当社ではもともとインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』を使っていたので、FAX OCR機能が利用できる『TANOMU』という受発注システムがあると聞き、すぐに導入を決めました。取引先が専用発注書をFAXすると、卸業者は管理画面からOCRをつかってデータ化ができる仕組みです。他社とも比べましたが、費用面でも機能面でも、『TANOMU』が1番だと思います。

代表取締役社長 王 徳英 氏代表取締役社長
王 徳英 氏

1日90件のFAX受注をデジタル化、労働時間も30分以上短縮

― 実際に『TANOMU』を使ってみて、いかがですか?

王社長:これまでは1日100枚近くFAXでの受注がありましたが、今では多いときで1日90枚ほどが『TANOMU』での注文に切り替わり、非常に楽になりました。今までFAXや営業担当へ個別にLINEでご注文いただいていたお取引先様すべてに、『TANOMU』で発注いただくようお願いしています。お取引先様に、データ注文にすることで、いかにミスも手間もなく受発注ができるようになるかを実感いただき、近い将来、すべてのFAXやLINEでの注文をデータ注文に切り替えたいですね。お客様の利便性を高めるため、発注画面で全商品検索だけではなく、フカヒレや紹興酒など商品分類別に検索ができるようにしました。得意先だけではなく、営業も自社商品を検索、提案できるのでこの機能を利用して売上につなげていきたいです。

従業員の労働時間も、1日30分は短くなりました。当社は基本的に朝7時からピッキングを開始するので、今まではほとんどの社員がピッキング開始の1時間前、朝6時には出社していました。それが『TANOMU』を導入してからは、30分遅い6時30分に来ても間に合うようになりました。

― 労働時間を短くすることへのこだわりが感じられます。

王社長:当社は年間休日が114日で、一般的な卸問屋よりも多い方です。今年からゴールデンウィーク、夏季休業、冬季休業以外で、前期と後期に1回ずつ三連休を設定しました。社員を募集してもなかなか来ない、採用してもすぐに辞めてしまうなどの課題を抱えていましたが、労働環境を改善することで社員の定着率は改善されています。労働環境は社会情勢に合わせて変わっていきますから、就業規則も数年おきに見直しています。

 

飲食店向けのPB開発で、飲食店のセカンドキッチンを目指す

― 今後の展望を教えてください。

王社長:今は外食産業全体が人手不足なので、労働環境を整えたうえで効率的な経営をすることが求められています。たとえば20年前の中国料理店では、若い従業員がスープを取るために朝早く出社するのが当たり前でしたが、現在はそのスープを既製品に切り替えるケースが増えています。もちろん料理長のレシピで手作りするのが一番ですが、そこまで手が回らない飲食店には、点心やスープなどを料理長のレシピで製造し、当社で在庫管理して納品する案件が増えています。九州は小ロット対応してくれる協力会社が多いので、中国料理の原材料を卸すという基本は大切にしつつ、セカンドキッチン的な機能もどんどん強化していきたいと思います。

これからもデジタル化で現場を効率化しつつ、新たな仕組みをどんどん作っていきたいです。

  

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株式会社新栄商行

設立1957年1月
事業内容中国料理食材の卸売業
代表者代表取締役社長 王 徳英
本社所在地福岡市東区箱崎埠頭1-1-25
企業サイトhttp://www.shineishoko.co.jp/
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