IT化の黎明期だった1975年の創業以来、歯科医院の統合管理システムをはじめ、医療、金融、公共サービスなど社会インフラを担うシステムの受注・開発を中心に請け負ってきたセントラル技研株式会社様。社員100名ほどの同社で、管理統括部は、経理・人事給与・総務といったバックエンド全般を、5名の人員でまかなってきたといいます。中でも煩雑だった契約書業務を刷新した経緯を、担当者に伺いました。
※2022年6月現在
ココがPOINT!
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1
月130件の契約業務が在宅でも処理可能に
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2
取引先の電子化率100%を達成
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3
誰でも使いやすい操作性と見やすい管理画面
契約書の作成・保管・運用…。すべての行程で散見されたロス
契約書業務の内容とフローについてお聞かせ下さい。

窪田克也氏
管理統括部長 窪田克也氏(以下、窪田部長):
弊社にご協力いただいて開発に入ってもらっている取引先をBP(ビジネスパートナー)と呼んでいますが、まず、そのBP さんとの基本契約、および付随する秘密保持契約、反社会的勢力チェックなどの業務があります。それとは別に取引先の仕様に応じた個別契約や、関連する発注・請求などの月々に行うべき業務もあります。
契約の件数はどれほどあるのでしょうか。

部長代理 佐々木清一氏
管理統括部管理部長代理 佐々木清一氏(以下、佐々木部長代理):
基本契約は、新規契約の際に取り交わすもので、月におよそ2~3件。この業務自体はさほど負担ではありません。むしろ個別案件で、だいたい3ヶ月ごとに繁忙期が訪れるのですが、多い月で120~130件、少ない月で30~40件ほどになります。

副主任 原田由美氏
管理統括部管理部副主任 原田由美氏(以下、原田副主任):
弊社では、営業担当者とBP さんとの間で現場に参画する要員が決まったら、その担当者が発注書や出向契約書を作成し、当部署に送ってきます。私は、それを紙で出力して、内容に誤りがないかをチェックして、承認・捺印してから、封入・郵送という作業を担当していました。
佐々木部長代理:
それぞれ2部ずつ作って、1部は保管しなくてはなりません。そのためのスペースの確保も大変でした。

相馬悠希氏
営業戦略本部営業サポート室副主任 相馬悠希氏(以下、相馬副主任):
その後の管理・運用の部分でもロスはありました。契約書については、現場での業務の中で、いつまでに履行しなくてはならないのか、作業範囲はどれほどかなど、業務内容を確認する必要があり、契約書の確認頻度がとても高いんです。
原田副主任:
紙ベースでファイリングされていますから、該当する資料を見つけ、それを1 枚ずつめくって確認するという原始的な作業が必須でした。整理されているはずなのに分類や整理の過程で散逸してしまっていて、「あれ確認して」と言われても、すぐに対応するにはけっこうな労力が必要でした。
「取引先に負担のない電子化」 を実現するために
契約業務につきまとう煩雑さ解消のために電子化の導入を検討されわけですね。
窪田部長:
契約書の作成に関しては、とにかく正確性が求められます。一方で契約内容の細かな確認など、作業負担の軽減は長らく課題として残っていました。ところが、日々の業務もあり、改善についてはペンディングされていました。直接のきっかけは、やはりコロナでした。まず物理的に、出社できなくなったために契約書の郵送が難しくなったのが一番大きかったですね。
佐々木部長代理:
そんななかでインフォマートの『BtoB プラットフォーム 契約書』を知って、これならスムーズに導入できそうに思えました。電子化に当たっては、弊社にメリットがあるだけでは意味がありません。BP さんにとって負担にならないことが第一条件でした。弊社にあわせて導入していただく既存のBP さんにご不便をおかけして、新規に契約を開始させて頂く場合も使いにくいシステムをすすめるわけにもいきません。使いにくければ、その問い合わせの対応で余計な業務を増やすことにもなってしまいます。その点でシンプルかつ導入しやすいというのが決め手になりました。
2021年5月の導入ですが、取引先の電子化率はどのくらいになりますか。
佐々木部長代理:
ほぼ100% 同意いただいています。
原田副主任:
同意は100%ですが、その後の運用については98%ぐらいです。先方の担当者がご高齢の場合は、慣れた手作業に戻ってしまわれた方がいました。
ほぼ100%というのは驚きです。お取引先もIT関連であることが大きいのかも知れません。
原田副主任:
そうなんですね。でも2%分などはストレスのうちに入りませんね。導入の際には、インフォマートの営業担当者から、相手先へ送る説明文書をはじめ、必要な書類についてレクチャーしてもらいました。そうしたサポートもあり、取引先の電子化率が高くなったのではないかと思います。
佐々木部長代理:
「BtoB プラットフォーム」を導入して気づいたのですが、同意いただいたBP さんのうち、すでに「BtoB プラットフォーム」を何らかの形で利用されている会社が3分の1以上ありました。
窪田部長:
弊社も以前から受注先がこのシステムを使って発注書を送ってくることもあり、アカウントはすでに持っていました。同業者が導入していることが多かったのは、弊社がこのサービスを選択した理由の1つでもあります。
導入後にどんなメリットを感じていますか。
原田副主任:
画面なども含めての操作性の良さですね。契約書の書面は細かく見づらいことが多いのですが、電子化することで項目の分類もわかりやすく、一目で分かるところは気にいっています。それと、エビデンスの保存としての機能もうれしい。かつては発注書と注文請書を一緒に郵送していましたが、注文請書を送り返してくれる会社は少なく、エビデンスとして残っていないことが問題でした。導入後は、先方が受け取ってくれたかなど、ステータスが一目瞭然ですので、安心感は大きいです。
窪田部長:
なにより基本契約書や個別契約書には、BP さんに印紙を貼っていただく必要がありました。1件4,000円の印紙代が掛かる契約も電子化によって不要になったので、そういったコスト面でも喜んでもらっていると思っています。
佐々木部長代理:
私しか分からない業務、原田にしか分からないことが、いまはシステムひとつで分かるようにもなりました。いわゆる業務の属人化から解放されたことが大きいですね。もう切手や印紙、封筒などを探さなくて良くなりました。
バックエンドを担うセクションのオール電子化を目指して
繁忙期ごとに集中する業務の解消にも効果はありましたか。
原田副主任:
定期的に業務が集中していたので、印刷は印刷、郵送は郵送と、あとでまとめて処理するほうが効率的でした。ただ、個別に業務を見ていくと、どの業務も中途半端になっていました。それが導入後は、営業担当から「いま契約書を送ったので、すぐに承認して返送してほしい」といった緊急性が高い内容でも、別の業務の途中でもすぐに対応できますし、会社にいなくても対応可能です。業務処理のスピード感が上がったことで、気持ちも楽になりました。
窪田部長:
その場その場で処理できるので、月末にピークが来て処理に追われるというスタイルは一変しました。
そうなると今後の展望が期待できますね。
佐々木部長代理:
やはり、契約書業務以外でも電子化を進めたくはなりますね。
窪田部長:
「BtoB プラットフォーム」を使うことによって、手間も省け、それぞれの契約業務がしっかり管理運用できるようになったので、とても助かっています。契約書業務ひとつでこれだけの省力化が可能だということが分かったので、部内でまだ紙でやりとりしている業務についても、徐々にペーパーレス化を広げていきたいと思っています。事務的な業務はうちの部署に一元化されていますので、部内でペーパーレス化が進めば、会社のほぼすべてで電子化されたことになります。実現の道のりは遠いかも知れませんが、取り組んでいきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。