全国にある店舗の発注作業をデジタル化し本部で一元管理。棚卸時間も劇的に削減しました。
株式会社Key tableは、福岡県博多市を中心として全国で「炭火野菜巻き串と餃子 博多うずまき」「博多焼肉八十八〜YASOHACHI~」「焼売酒場つつみ」などの飲食店、計18店舗を経営している。
2018年に創業したベンチャー企業でありながら徹底した市場分析で売上を伸ばし続け、昨年は新たに8店舗を立ち上げた。コロナ禍でも快進撃を続ける背景には、商品発注や仕入れ報告、棚卸作業のシステム化などITを駆使した業務効率化がある。今回は、同社 店舗開発購買部長の西山京兵氏に、システム導入の経緯や経営への効果を伺った。
ココがPOINT!
- 1請求管理や各店舗の日次報告をデジタル化し、本部で必要な時にデータ化
- 2フォーマット作成から全て手入力していた棚卸時間をシステム化で大幅削減
- 3毎月誤差があった原価管理をデジタル化し、本部で一元管理
創業から4年間で全国に18店舗を出店
―2018年の創業以来、「博多うずまき」など4年間で18店舗を出店されていますね。
株式会社 Key table 店舗開発購買部長 西山京兵 氏(以下、西山氏):現在は「博多うずまき」という野菜巻きをメインとした居酒屋ブランドが8割を占めています。この他にも海鮮や焼肉、その他さまざまな業態を開発中で、特に居酒屋へのこだわりはありません。食事メインの店舗やロードサイド店舗、高級業態など、試行錯誤しながら全国で出店を進めているところです。
店舗開発購買部長
西山 京兵 氏
―博多を中心に千葉や広島など全国に出店されていますが、出店エリアはどのように決めているのですか?
西山氏:1店舗目に福岡を選んだ理由は、博多が賃料も含めてマーケット的に最も安定しているエリアだからです。その後はエリアにとらわれず、全国の物件情報をできるだけ多く集め、賃料と場所が条件に合えば内見に行ってどんどん出店していました。
場所は繁華街で探すことが多く、グルメサイトのクライアントリポートのアクセス数など、ネット関係のデータを分析して結果が出そうな場所を選んでいます。実際に足を運んで市場調査も行い、「いける」という感覚があれば出店していました。現在は店舗数が増えてきたので、売り上げがしっかり見込めるエリアでドミナント出店をかけていく方針です。各地方に店舗が点在するより、ドミナント展開した方が社員も働きやすいだろうとの思いもあります。
―御社はどのような思いで創業されたのですか?
西山氏:当社の代表である周郷 海が、数字重視の飲食店ではなく、自信をもって身内を呼べるような地域の一番店と言われる、しっかりした店を作りたいという思いで2018年に創業しました。
そして経営するからには規模を拡大し、将来的には上場も視野に入れたいと考えています。飲食業界は厳しいといわれますが、コロナ禍でも人気店は繁盛しています。そのような、本当にお客様に支持される店を目指して試行錯誤しているところです。
発注システムの導入で、本部による数字のチェック体制を整備
―経営規模が拡大していくなかで、顕著になった課題はありますか。
西山氏:店舗が増えてくると、各エリアで発注・仕入れの業者さんやメーカーがバラバラになり、調味料などの細かな違いで味がぶれてしまうという課題が出てきました。また、その日の仕入れ額は現場が請求納品書を見ながらパソコンに打ち込むのですが、手作業ですからミスも発生します。当時は請求書を本部の経理担当が1人で管理していたため、チェック体制にも限界を感じていました。
そんな時に、以前勤めていた飲食店でインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を使っていたことを思い出し、当社でも導入することにしたのです。
―導入の効果はいかがですか?
西山氏:半年間使ってみて、大きな効果を実感しています。導入前は現場の人間が数字をチェックしていましたが、今は本部に1人、管理担当の社員を置いてしっかり一元管理ができるようになりました。本部から各エリアマネージャーやブロック長に情報が共有されるので、チェックもしやすいです。
また発注管理だけでなく、棚卸機能も活用しています。これまではExcelで2~3時間かけて棚卸のフォーマットを作成し、すべての商品名と価格を入力していたのですが、システム化で作業時間が大幅に短縮されました。そのため新店をオープンする際の作業が楽になり、マネージャー層が本部のデータをすぐ閲覧できるため「今月は在庫が多い」などのチェックがしやすくなったのは大きな効果です。
今までは単価の管理も店舗任せで毎月ブレがあったのですが、システム化したことによってきちんと管理できるようになりました。これまではLINEでグループに共有し、そこからさらに上に報告する流れだったものが、報告作業までシステム上でできる点でも効率化されたと思います。
業務効率化のため、システム化を積極的に進めたい
―BtoBプラットフォーム受発注の導入に対する社内の反応はいかがでしたか。
西山氏:これまでも『BtoBプラットフォーム受発注ライト』の発注機能を使って仕入れ先の業者さんとやり取りをすることもあったので、抵抗はあまりありませんでした。また『BtoBプラットフォーム 受発注』と『BtoBプラットフォーム受発注ライト』はページレイアウトがほぼ同じこともあり、戸惑うことなくスムーズに導入できたと思います。インフォマートの導入説明会を聞くだけでほとんど理解できました。
また弊社は若いスタッフが多いため、IT化に対するハードルがそれほど高くないのもプラスだったと思います。
システム化で労働環境を改善すれば、人手不足も解消できる
―今後の展望について教えてください。
西山氏:インフォマートさんのシステムについては、『メニュー管理』などまだ活用できていない機能があるので、それらを使いこなして業務効率化を進めていきたいです。我々はシンプルに、飲食業としてお客様に美味しいものを提供し、楽しい時間を過ごしていただきたいと考えています。そのためにはまず、従業員が楽しんで仕事をすることが何よりも大切だと考えています。労働環境が改善されることで従業員に余裕が生まれることで、良い影響が料理や接客サービスにも反映されると思います。
労働環境を改善しメリハリをつけて働いてもらうことで、質の高い料理を出せ、売上が上げる。従業員はプライベートが充実し、自分たちの給料も上がる。そんな良い循環に持っていきたいと考えています。反対にどこかが崩れると、離職率も上がって給料も上がらず、店舗展開もできずという悪循環に陥ってしまいます。
飲食業界はブラックという印象をもつ人もいますが、ITツールの活用を含め、さまざまな業務を効率化することで労働環境を改善し、人手不足も解消し、最終的には飲食のイメージを変えていけるような経営がしたいと考えています。
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BtoBプラットフォーム 受発注
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株式会社Key table
設立 | : | 2018年 |
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事業内容 | : | 居酒屋など飲食店の経営 |
代表者 | : | 代表取締役社長 周郷 海 |
本社所在地 | : | 東京都中野区東中野2-30-7 |
企業サイト | : | https://akr6815063288.owst.jp/ |
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