株式会社明神丸掲載日 2025年7月10日

日次PLも発注もまずは“見える化”から。
遠方店舗の状況を把握して、経営判断を強化します。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 四国 | 業種 居酒屋 | 取材日 
株式会社明神丸

鰹のたたきをお客様の目の前で藁焼きするライブパフォーマンスを行い、塩だけで味わう「藁焼き鰹の塩たたき」を看板メニューに掲げる株式会社明神丸。高知を拠点に、東京や大阪、岡山など広域で多店舗展開している。

各地に店舗が増えるにつれ、現場の発注や在庫の状況を本部が把握しきれないという課題が浮き彫りになった。そこで、現場の状況を見える化し、安定運営の基盤を築くために受発注システムを導入。業務がどう変わったのか、情報システム部 課長に話を聞いた。

ココがPOINT!

数字が見えなければ、正しい経営判断はできない

― 事業について教えてください。

情報システム部 課長(以下同):当社は元々、水産業を母体としており、鰹のたたきを看板商品として高知県でアンテナショップを立ち上げたのが飲食事業の始まりです。現社長が鰹の一本釣り漁師だったということもあり、鰹のリーディングカンパニーを目指すと同時に、地元の文化である藁焼き、地元食材の活用にもこだわっています。

今後はグループ全体で、高知の第一次産業から第六次産業までを一貫して担う企業を目指しています。

店内風景

― デジタル化を進めるきっかけは何だったのでしょうか?

まず、社長自身が数字に対して非常にシビアな視点を持っていたことが大きいです。創業当初からの失敗の経験もあり、「売上・原価・在庫など、すべての数字を把握してこそ経営判断ができる」という姿勢がありました。実際、20年ほど前にはレジから出力されるジャーナルを印刷し、手作業でまとめてABC分析などをしていたそうです。

その後もPOSシステムを含めさまざまなツールを試行錯誤しており、私が携わるようになった時点ではすでにPOSは4代目になっていました。数字へのこだわりは、それほど強いものです。

現場の声からわかった「このままでは無理」の実感

― デジタル化を進める前、どんな課題がありましたか?

最も大きな課題は、数字が揃わないことによる判断の遅れでした。特に日次決算の作成には時間と手間がかかり、状況把握が数日遅れになることもありました。これでは、日々の改善やリカバリーが間に合いません。月末に確認しても、もう手遅れです。

また、店舗の拡大に伴って、食材の仕入れ先や品数も増え、現場で把握すべき数字が複雑になります。特に仕入れ価格の変動が激しい中で、マスタの更新が追い付かず、いくらで仕入れて、どれぐらい利益が出ているのか分からなくなることもありました。毎月の原価率を見ても、「この数字、本当にあってるの?」と不安になることもありました。経営側から求められる分析も増えましたが、必要な情報をすぐに取り出せず、そもそも数字を集めるだけで手間がかかる状況です。

FAXでの発注業務も同様に限界を迎えていました。手書きで送られた注文内容を再入力する必要があり、紛失や転記ミスのリスクも高かったですし、当日の発注しかできない基幹システムの仕様も、現場の柔軟な運用を妨げていました。つまり、取引・商品・データが複雑化したにもかかわらず、それを扱う仕組みは昔のまま。これではもう回らない、そんな危機感があったのです。

藁焼きのライブパフォーマンス鰹たたき

目的は「仕組みの導入」ではなく「数字の把握」

― 『BtoBプラットフォーム 受発注』導入時に重視したポイントは何でしたか?

最大の目的は、数字を正しく把握することです。当社では、これまでにも出退勤管理やPOSなど、分析や業務効率化を目的に複数のシステムを導入してきましたが、それらの中心にあったのが、それぞれのデータがきちんとつながるかどうか。つまり、部分最適ではなく、全体として数字を一元的に捉えられるかを重視していました。

BtoBプラットフォーム 受発注』の導入も、インフォマートの担当者と密に連携しながら、「あのシステムのこのデータを、こう出せるか?」「この数値を抽出して、こう並び替えられるか?」といった具体的な要件を一つひとつ確認して進めました。

実際に運用開始までは一定の準備期間を設けましたが、それは数字を正しく扱える仕組みを全社で機能させるためです。導入は単なるシステム化ではなく、経営の基盤づくりと捉えていました。

デジタル化は、現場の意識を変える“きっかけ”に

― 導入による変化は感じていますか?

大きな変化は、現場が数字に意識を向けるようになったことです。数字が見えるという状態は、それだけで経営判断のスピードを変えます。帳票類の整理や請求処理、納品処理の負担も軽減され、総務部門からは喜びの声も上がっています。

BtoBプラットフォーム 受発注』を通じて、他システムとのデータ連携もスムーズになり、現在では日次決算も短時間で確認可能です。現場からは、「未来日での発注ができるようになって便利になった」といった前向きな声も増えています。

今後の拡大に向けて、今やるべき基盤づくり

― 今後の展望や取り組みを教えてください。

今後の店舗展開や新業態の展開も視野に入れています。すでに東京で「土佐みょうじん」という新ブランドも立ち上げ、既存の明神丸とは違った価格帯・コンセプトでのチャレンジも始まっています。

DXについても、すでに導入しているツールをより活用していくフェーズです。『メニューPlus』を用いた原価管理やレシピのデジタル化も進めており、将来的にはAIを活用した自動発注の導入も視野に入れています。

正しい経営判断のためには、正確な数字を見える化する基盤が必要であり、まずは、数字を知ることです。今後はグループ会社全体にも、こうしたデータ基盤を広げていきたいと考えています。

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株式会社明神丸

設立1999年7月8日
事業内容飲食店及び食品販売店の経営・企画・運営
代表者代表取締役社長 森下 幸次
本社所在地高知県高知市本町4丁目2-44 グラン高知県庁前9F-A
企業サイトhttps://myojinmaru.jp/
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